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2024.08.05

自動車でゴム製品が活躍している場面や部品とは

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自動車はさまざまな場面や、あらゆる部品でゴム製品が使用されています。

ゴムの弾力性や柔軟性、摩耗しにくい性質などを利用することで、安全性や乗り心地を向上させることもできます。

今回はどのような種類のゴムが自動車に使われているのか、自動車のどんな部分にゴム製品が使用されるのかについてお伝えします。

自動車に使われるゴム部品とは

ゴムにはさまざまな種類があります。自動車に使われるゴム部品も、特性や使用する場面によって色々な種類のゴムを利用し、安全性や耐久性を向上させます。

ゴムにはそれぞれ種類によって異なる特性や特徴がありますので、まずはそれらを知ることが大切です。

天然ゴム

ゴムの木から採取される素材で、天然素材です。タイヤやホース、ガスケットなどさまざまな部品として利用されます。

弾力性や柔軟性、耐摩耗性に優れているうえ、生分解性があるため環境への負荷が少ないのがメリットとされています。

さらに比較的安価で手に入るのもポイントです。

一方で低温脆性があるため、低い温度や寒い環境においては摩耗が加速されることもあります。

オゾン層や紫外線に弱いため、自然環境の影響で劣化することもあり、石油由来のゴムと比較すると耐油性は少し劣ります。

シリコンゴム

シラン化合物から合成される合成ゴムの一種です。ワイパーブレードやホース、ガスケット、シリンダーシールなどで使用されます。

耐熱性や耐寒性、耐候性に優れており、電気絶縁性もあります。製造の工程においても、非粘着性で接着剤や潤滑油の必要がないというメリットがあります。

また生体適合性があるため、シリコンゴム自体は医療機器など人体に触れる場面でも使用できるのが特徴です。

一方で弾力性や柔軟性がほかのゴム製品と比べると劣るほか、比較的高価な素材となります。

ニトリルゴム

アクリロニトリルとブタジエンの共重合した合成ゴムです。燃料ホースやクーラントホース、オイルシール、エンジンマウントなどに使用されます。

耐油性や耐薬品性に優れているだけでなく、引張強度や耐摩耗性もあります。さらに比較的安価に製造、入手が可能です。

一方で低温には弱く、寒い環境などでは低温脆性によって素材が脆くなりやすいです。またオゾン層や紫外線など環境によっても劣化しやすい側面があります。

フッ素ゴム

フッ素と炭素から合成されるゴムです。高圧や高温で使用されるようなホースやOリング、ガスケットなどが使用用途に挙げられます。

耐熱性や耐薬品性、耐油性に非常に優れた素材であるほか、電気絶縁性もあります。幅広い温度の範囲で使用できるのもメリットのひとつです。

一方で非常に高価な素材であり、弾力性や柔軟性は他の素材と比べると劣ります。

ウレタンゴム

ポリイソシアネートとポリオールから合成された合成ゴムです。ダッシュボードやホース、ステアリングホイールなどに使用されます。

弾力性や柔軟性が高く、耐摩耗性を持っています。また耐薬品性によって薬品を使用するような場面でも選択可能な素材です。加工や着色がしやすい特徴もあります。

一方、加水分解しやすくボロボロになりやすい性質を持っていることや、紫外線に弱い面はデメリットといえるでしょう。

クロロプレンゴム

クロロブタジエンから合成される合成ゴムです。ホースやベルト、ガスケットやワイヤーケーブルなどに使用されます。

耐炎性や耐寒性、耐候性に優れている特徴があり、電気絶縁性もあります。オゾンや紫外線など自然環境による影響も受けにくい性質です。

一方で油や溶剤に対する耐性は弱い傾向にあり、高価な素材でもあります。

ブチルゴム

イソブテンとイソプレンを合成した合成ゴムです。タイヤのチューブやホースガスケットなどに使用されます。

耐熱性や耐寒性、耐薬品性に優れており、耐オゾン性もあるため屋外での使用にも向いている素材です。

ガスを通しにくく、さまざまな形状に加工しやすい性質もあります。また比較的安価な素材です。

一方で他の素材に比べると、弾力性や柔軟性は劣ります。特定の油や溶剤に弱いため使用場面には気をつける必要があります。

エチレン・プロピレンゴム

エチレンとプロピレンを合成したゴムです。ホースやガスケット、ワイパーブレード、ブッシュなどに使用されます。

耐熱性や耐寒性、耐候性に優れており、オゾンや紫外線にも強いのが特徴です。比較的安価な素材でもあります。

一方で弾力性や柔軟性、油や溶剤には弱い傾向にあり、使用場面には注意が必要です。

ゴム製品は自動車のどこに使われているの?

ゴム製品は自動車のどんな場面に使われているか、どんな種類のゴムが使用されているかについて説明します。

タイヤ

タイヤは接地面と路面の間で摩擦力を生み出し、動力につなげる自動車において唯一の接地面となる部分です。

円滑な走行や安全のために適切なゴムの種類の選定と、製造技術が欠かせません。

使用されるのは、乗り心地を向上させる天然ゴムや、長寿命化に貢献する合成ゴムが主流です。

他にも、強度が高く性能を安定させるカーボンブラックや、タイヤが転がる際に抵抗低減に効果があり、燃費向上もするシリカなどの素材が使われます。

ワイパー

ワイパーは主にフロントガラス、リアガラスに使用され、ワイパーを使うことで雨天や雪などの悪天候でも運転中の視界を確保します。

ワイパーブレードの形状に合わせやすい天然ゴムや、耐摩耗性、耐候性に優れた合成ゴムなどが使われます。

ただし非常によく動かす部分でもあるので経年劣化や天候の影響が避けられず、定期的なメンテナンスと交換は避けられません。

ベルト

エンジンやオイルネーター、パワーステアリングなどに使用されるベルトは、機器の駆動や動力の伝達に欠かせません。

耐油性や耐摩耗性に優れているクロロプレンゴムは長寿命化に優れており、ウレタンゴムは弾性や柔軟性を持つため静音性にもつながります。

防振ゴム

防振ゴムはエンジンや車体、サスペンションなど自動車全体に使われ、騒音や振動を吸収するために必要です。

車内に必要以上に振動を伝えず、静かな運転が可能になります。

幅広い揺れに対応できる天然ゴムや、高温、低温にも耐えることができるシリコンゴムなどが使われます。

しかし経年によって防振ゴム自体の型崩れが起きると性能が落ちてしまいますので、適切なゴム素材を選ぶことに加え、点検や交換も必要です。

シール

シールはエンジンやトランスミッション、ドアなどに使用され、部品と部品の隙間をなくし、油漏れや水漏れを防ぐ役割をします。

耐熱性や耐油性に優れたフッ素ゴムや、低温や高温ともに対応可能なシリコンゴム、隙間の形状に合わせて加工しやすい天然ゴムなどを使用することが多いです。

まとめ

ここまでお伝えしたように、自動車はさまざまな部分にゴム製品が使用されています。

ゴムの種類によって特徴や性能、適した利用方法が異なるため、使用場面や部品によって使い分けることが必要です。

ゴム製品をうまく利用することで、運転時の不必要な振動や騒音がなくなり、安全性も向上します。

このように自動車にもゴム製品が幅広く採用されていることを知っていただけたら幸いです。

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