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2024.05.30 ゴムの種類

ゴムの特徴を徹底解説!工業や製造で使用されるゴムを種類ごとに紹介

ゴムの種類 blog image

自動車のタイヤや輪ゴム、ゴム手袋など、さまざまな場面で私たちの暮らしを便利にしている「ゴム」。

その強靭さや加工性の良さから、工業や製造の場面でも欠かすことのできない重要な存在です。

そんなゴムには、素材によって多くの種類があり、それぞれ異なる特徴を持つことをご存知でしょうか?

用途や環境に応じたゴム選びは、製品の質やランニングコストを左右するといっても過言ではないでしょう。

この記事では、主に工業用・製造用のゴム素材に焦点を当て、その特徴を種類ごとに詳しく解説します。

ゴム全般に共通する主な特徴

ゴムの特徴として、引っ張るとよく伸びる性質をイメージする方も多いのではないでしょうか。

素材によって程度の違いはあれど、全てのゴム素材はそのような伸び縮みする性質を持っています。

はじめに、こうした全てのゴム素材に共通する特徴からご紹介します。

わずかな力で大きく伸びたり変形し瞬時に元に戻る

わずかな力で伸び縮みするというゴムの特徴的な性質を実現しているのは、その分子構造です。

ゴムの分子は本来細長い形をしているものの、普段は丸まっていて、縮んだ状態になっています。

一つひとつのゴムの分子をつなぎ止めているのが「硫黄」。硫黄が留め具のような役割を果たすことで、物体としてのゴムが成立しています。

ゴムを引っ張ると、ゴムの分子が本来の細長い形に伸びるため、ゴムが伸びます。力を加えるのをやめると、硫黄によるつなぎめ部分が元の形に戻ろうとするため、ゴムの分子もその力に追従。ゴムが元の形に戻るのは、この作用によるものです。

工業や製造の場では、この伸び縮みするゴムの性質が大いに活用されています。

高分子化合物で非晶質

全てのゴムは「高分子化合物」で、「非晶質」という性質を持つ素材です。

高分子化合物とは一万個以上もの分子で構成される化合物のことで、「ポリマー」とも呼ばれます。ゴムのほかに、プラスチックや合成繊維なども高分子化合物に当たります。

また、非晶質とは、分子が規則正しい空間的配置を持つ結晶を作らず集合して固体になる性質のことです。

高分子化合物で非晶質の物体は、軽くて加工がしやすいうえ、衝撃に強く、幅広い用途に引っ張りだこ。

大型の製品を作ることができ、少ない工程で加工できるため、コストを抑えられるという利点もあります。

耐水性や電気絶縁性が高く加工性に優れている

ゴムは基本的に、耐水性、電気の絶縁性が高い素材です。水に弱く通電してしまうため、使用環境が限られる金属などの代用素材としても重宝されます。

ゴムは用途に応じた成形が可能なうえ、さまざまな使用環境にも対応できることで、その活躍の場をさらに広げています。また、製造時に導電性の添加物を混ぜて、通電するゴムを作ることも可能です。

ゴムの種類ごとに特徴や用途を解説

工業用に使用されるゴムには、ゴムの木から採取した樹脂から作られる「天然ゴム」と、化学物質を化合して作られる「合成ゴム」の2種類が存在します。

合成ゴムは素材となった化学物質や製造方法によって数多く生み出されており、その性能はまさに多種多様。

ここでは、天然ゴムと各種合成ゴムの特徴や用途を、それぞれ詳しく解説していきます。

天然ゴム(NR)

天然ゴムは全てのゴムの中でも特に弾性が高く、加工しやすいことが特徴です。

柔軟な天然ゴムは、引っ張り強度や引裂強度も高く、タイヤやホースの原料といったさまざまな用途で活躍しています。

なお、化学的な物性調整が施されていないため、熱や油、オゾンなどの特殊な環境への耐性は合成ゴムよりも劣る傾向にあります。

シリコーンゴム(SI)

ゴムベラなどの調理器具にもよく使用される「食品衛生適合材」で、人体に悪影響を及ぼしにくい比較的安全なゴムとしても知られるシリコーンゴム。

工業用途では、耐熱性や難燃性、絶縁性に優れることから、精密機器の絶縁体にもよく用いられます。

価格も比較的安定していることから、多くの企業に幅広い用途で採用されています。

ウレタンゴム(U)

ウレタンゴムは、工業用ゴムの中でも屈指の摩耗耐性の高さを誇り、機械的強度の高いゴム素材です。

劣化耐性も高いため長期使用にも向いており、工場などで長く使われる「ベルトコンベア」にも多く用いられています。

油への耐性も高く、オイルを使用する工業の場にもぴったりのゴム素材といえるでしょう。ただし、耐水性が低いため、ウレタンゴムの導入には湿度管理が必要です。

クロロプレンゴム(CR)

天然ゴムのような弾性の高さを持ち、各種特性のバランスが良いクロロプレンゴムは、多様な環境で広く活躍します。

一般的なゴムが苦手とする油への耐性も高いため、屋外やオイルを使用する現場でも使用可能です。

耐老化性にも優れ、大きな負荷のかかる工業製品やパッキン、Oリングなどに使用されています。耐候性も良く、屋外での使用にも適しています。

エチレンプロピレンゴム(EPDM/EPT)

化学物質のエチレンとプロピレンを配合した合成ゴムです。

高い耐候性と耐寒性を持ち、屋外使用への耐性も良好。街中のゴム電線などにも採用されています。

無機薬品にも強い耐性を発揮する強靭なゴム素材ですが、油への耐性は低いため、近隣で油を使用していないか事前に確認すると良いでしょう。

ニトリルゴム(アクリロニトリルゴム/NBR)

ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体で、「アクリロニトリルゴム」とも呼ばれます。

圧縮永久ひずみ率、引っ張り強さ、摩耗性が良く、シール材の素材として優秀です。ニトリルの含有量が増えるほど耐油性が上がり、その高い耐油性から、自動車部品にもよく使用されます。

なお、耐候性、耐オゾン性はいまひとつのため、直射日光の当たる場所やオゾンの発生しやすい場所での使用や保存には適していません。

ブチルゴム(IIR)

ブチルゴムは、伸縮、屈曲性が良く、さまざまな形に成形して使用できる優れもの。

防振性、絶縁性、耐水性、耐薬品性、耐熱性など、非常に幅広い特性をカバーしています。

反発力が低いため衝撃を拡散せず、防振、防音にも適したゴム素材です。耐候性も良く、屋外建築用の防音材や防水シートなどにも使用されます。

フッ素ゴム(FKM/FPM)

フッ素ゴムは、一般的にゴムが苦手とする薬品、油、熱への耐性が突出して高く、「ゴムの弱みを克服したゴム」といえるでしょう。

オゾンへの耐性も高く、保存管理が容易なことも特徴です。一般的なゴムよりも厳しい環境に耐えうるフッ素ゴムは機械との相性がよく、自動車部品として多く使用されるほか、耐化学薬品系のパッキンなどとしても採用されています。

しかし、フッ素ゴムはとても高性能な一方で、コスト面でも相応の負担がかかります。さらに、物理的なダメージに弱いため、負荷のかからない状態で使用できる環境が必要です。

水素化ニトリルゴム(HNBR)

ニトリルゴムにアクリルニトリル基とブタジエン基を加えて水素結合を付与して改良したのが水素化ニトリルゴムです。ニトリルゴムが不得意とするオゾン、屋外環境への耐性が向上しています。

各化学物質の共重合比を変えることで耐熱性や耐油性、耐寒性をそれぞれ向上できるため、用途に応じて性能を調整できる便利な素材です。圧縮、摩耗にも強く、オイルシール、ガスケット、耐油ホースなどに使用されます。

なお、耐寒性やコストの優位性はニトリルゴムより低下してしまうため、使用環境やコスト管理に注意しましょう。

スチレンブタジエンゴム(SBR)

耐熱性、耐摩耗性、耐老化性に優れ、タイヤやホース、パッキングといったゴムのメイン用途に求められる性能を広くカバーしているゴム素材です。

その使い勝手の良さから、世界中で生産される全ての合成ゴムの中で、スチレンブタジエンゴムが最も多く生産されています。気体透過性、ガス透過性が低く、ガスホースなどにも多く用いられます。

まとめ

強靭で多様な特徴を持つゴム素材は、工業や製造を支える大切な役割を担い続けてきました。

同じ用途でも、使用環境が異なれば、必要となるゴムの性能も変わります。ゴム素材それぞれの特徴を確認し、適切なゴムを使用することで、工業や製造のクオリティをより一層高めることが期待できます。

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