フッ素ゴムコンパウンドHKD
Fシリーズ
- 2元ポリオール系フッ素ゴムをベースにしたコンパウンド、Fシリーズの販売を開始しました。
- HKD Fシリーズは、フッ素ポリマーにあらかじめカーボンブラック等の添加剤を混練りしたフルコンパウンドで提供します。
- F70はJIS B 2401-1 FKM 70の規格に適合しております。
ML 1+10・100℃
フッ素ゴムとは
フッ素ゴムは、有機フッ素化合物を中心とした重合物。一般的には「FKM」と称されています。
自動車部品や半導体製造装置、医療機器部品、住宅用品など非常に幅広く用いられており、近年ではスマートウォッチやスマートグラスといったウェアラブル機器にも使用されています。
フッ素ゴムの歴史
フッ素ゴムが誕生したのは1957年。
開発のきっかけとなったのは第一次世界大戦で、この戦争により天然ゴムを入手することが難しくなり、合成ゴムの開発が始まったことでフッ素ゴムの誕生に繋がりました。
最初に製品化したのはアメリカの「Du Pont社」が開発した「バイトン」でした。
その名が一気に知れ渡ったきっかけとなったのが、アポロ11号です。
アポロ11号の乗組員が履いていたブーツはフッ素ゴムであったことから、「フッ素ゴム=耐久力のあるゴム」といったイメージが付いていったのです。
フッ素ゴムを使用するメリット
それでは、フッ素ゴムにどのようなメリットがあるのかを具体的に挙げていきましょう。
耐熱性や耐薬性に優れている
フッ素ゴムを使用する最も大きなメリットとしては、「耐熱性や耐薬性に優れている」ということが挙げられます。
フッ素ゴムが様々な重要部品として使用されている大きな理由となるのは、「耐熱性」というメリットがあるからです。
その耐熱温度は、なんと約230℃となっています。
例えばウレタンゴムであれば約100℃ですし、天然ゴムは約80℃、ニトリルゴムは約120℃となっていることからも、いかにフッ素ゴムが高熱に耐えるのかがわかります。
耐薬性に優れている
そして「耐薬性」というメリットもあります。
一般的なフッ素ゴムは有機酸やケトン、エステル、アミン系といったものには耐性がありませんが、グレードの高いフッ素ゴムの場合はこれらに耐性を持ちます。
ただし他のゴムと比べれば、一般的なフッ素ゴムも耐薬性が優れているのは間違いありません。
フッ素ゴムは耐炎性や耐オゾン性、耐油性なども他のゴムよりも優れています。
汚染性が低い
フッ素ゴムは、老化防止剤などを必要としません。
その他のゴムは老化防止剤などを使用することで耐熱性などを高めるのに対して、フッ素ゴムはそれらを使用することなく強度を保つことができます。
それゆえに、抽出物が少なく汚染を避けたいといった用途でゴムを使用する際にはフッ素ゴムがよく使われているのです。
フッ素ゴムを使用するデメリット
次に、フッ素ゴムを使用するデメリットを具体的に挙げていきましょう。
前述したように耐熱性や耐薬性、耐オゾン性、耐油性などがあり汚染性が低いといったメリットがある一方で、いくつかのデメリットが存在します。
価格が高い
フッ素ゴムは様々なゴムの種類の中でもトップクラスの強度を誇るため、必然的に価格が高くなります。
さらに比重が大きいため、加工コストも上がるといったこともあります。
例えばフッ素ゴムの相場としては、1㎏10,000円程度、高価なフッ素ゴムとなると、1㎏20,000円程度となるケースもあります。
しかし、弊社ではご使用の目的に沿った商品を価格的メリットのある形でご提案させていただきます。まずは一度、ご連絡の上お見積もりを取っていただければと思います。
耐寒性が低い
フッ素ゴムは耐熱性や耐火性といった「熱さ」に強い特徴を持つ反面、「寒さに弱い」といった特性を持っています。
それゆえに寒冷地での使用には、耐寒性グレードの選定などをして用途に合わせた注意が必要となります。
シリコンゴムとの違い
ここまでの解説で、フッ素ゴムがいかに優れたゴムであるかがご理解いただけたかと思います。
価格が高く耐寒性には不安があるものの、安心して使用できるゴムとなっています。
そんなフッ素ゴムと並び優れたゴムとして有名なのが「シリコンゴム」です。
フッ素ゴムと同じように、耐熱性や耐オゾン性、耐薬品性などが優れていますが、特に「耐水性」と「耐寒性」にも優れています。
なんとシリコンゴムは-70℃まで耐えられます。
耐熱性や耐オゾン性、耐薬品性はフッ素ゴムの方が優れているため、それらの特徴を求めるならばフッ素ゴムが適していて、耐水性や耐寒性も必須であるならばシリコンゴムが適していると判断できます。
シリコンゴムはその高い耐水性ゆえに食品機械部品、チューブ、ホースなどにも使われています。
また、シリコンゴムは安全性にも優れています。
化学的安定性が高いため、もしも体内に入ってしまったとしても吸収されることなくアレルギー反応が起こる可能性も限りなく低いといわれています。
弊社ではお客様のご要望をお伺いし、適切なゴム製品を提案させていただきますので、ご不明点があれば、お気軽にお問い合わせいただければと思います。