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【商社視点】2025年最新レポート:天然ゴム市場の価格変動と需給動向を徹底解説
コラム
本レポートでは、専門商社の視点から、現在のゴム相場を形成する要因と、今後の天然ゴム動向について詳細に解説いたします。
📈 2025年11月時点:天然ゴム価格(相場)の現状と背景
1. 価格動向:リスクオンで底堅い展開
現在の天然ゴム価格は、米中関係の改善期待などによる投資家のリスク選好姿勢の高まりを背景に、底堅く推移しています。しかし、この底堅さの裏側には、需給面での深刻な課題が横たわっています。
2. 最大の変動要因は「供給不安」
価格を押し上げる最大のリスクは、主要生産国である東南アジアにおける供給不安です。
*異常気象の常態化: 近年続く異常気象(長雨や干ばつ)が、タイやインドネシアといった大産地の生産量に直接的なダメージを与えています。
*構造的な供給能力の低下: 過去数年間の価格低迷期に、農家がゴムの木の植え替えを怠ったり、収益性の高いアブラヤシなどに転作したりした結果、長期的な天然ゴムの供給能力が構造的に低下しています。
専門機関の予測では、2025年の天然ゴム市場は供給不足に陥る可能性が指摘されており、これは今後数年のゴム相場の根幹を揺るがす重要な要素です。
🌐 需給構造の要点:中国需要と「非タイヤ製品」の伸び
1. 世界需要の約4割を占める中国市場
天然ゴム市場の需要側は、世界最大の消費国である中国が鍵を握ります。
中国の自動車産業やインフラ投資の動向は、そのままグローバルな天然ゴムの需要に直結します。世界経済の減速懸念が続けば需要面での重しとなりますが、中国政府の景気刺激策に対する期待感は、依然としてゴム相場のサポート要因となっています。
2. 成長を牽引する「非タイヤ製品」と「高性能ゴム」
天然ゴム市場の成長率(年平均4.5%〜4.7%予測)を支えているのは、単なる物量増加だけではありません。
*EV・軽量化ニーズ: 自動車産業のEV化や軽量化が進む中で、より高い耐久性や耐熱性、低転がり抵抗を持つ高性能ゴム製品への需要が急増しています。
*医療・衛生分野: ラテックス製の医療用手袋など、衛生意識の高まりに伴う非タイヤ製品の需要も、市場の安定的な成長に貢献しています。
